朝の冷えた空気が陽に当たって白い霧になってあたりを覆い、対岸はかすんで白くその姿を隠してしまいます
見えているものは感じられるのだけど、見えないところが気になります
陰の向こうから見えるもの以上に語りかけてくることは無尽蔵なほどです
それは山の奥だからではなくて、街にしてもどこでだって気になる霧の向こうにであえば
想像したくなる気持ちも白く湧いてきます
白く覆われた木々の葉にひっそりと隠れている虫もいるでしょう
風もなくてじっと休止するしかない鳥の命だって無数に潜んでいるはずです
捕食しようとする天敵ですら動くことができなくて、じっと休んでいなくてはならないのかもしれないし
そうした生き物たちの多くが木や草の下に隠れていながら互いに見つけようとしている
ヒトもまたいろんなことを見つけようとして、いつも眼を動かして心を皿のように拡げてその上に載せるものを探している
わたしなどは行き当たりばったり、見えたり隠れている朝の霧にすら遭遇しては動かされています
白い霧は陽に輝いて多くのものを覆い隠してなおあらわにするのでしょう
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