まちてくギャラリーというのは作品の写真をまちの中に展示するものです。
画廊の入り口に沢山の案内状が壁に張られています。ほとんどは、ハガキですが小さな写真でも作者の意思が十分に伝わってくる時もあり、ハッとした経験を持つ人も多いことと思います。
壁に張られているのはよそで行われている展覧会を紹介するもので、多くの場合壁一面に集合して量が訴える力もあります。この「まちてくギャラリー」でも、ハガキ大の写真を3枚ずつアクリルの箱に入れて商店などの壁に掛けて展示をしていましたが、最近、A4サイズに変更をしました。しかし、やはり 屋外なので60センチあまりの黄色い箱と中の写真は、誰の目にもすぐ留まるというわけにはいきません。 しかも、日常というものは物事を溶け込ませて認識の外へ追いやることで、日びを過去に流します。
一方、美術や芸術というものは対極的に非日常です。日常に切り込んで主張をする意思が芸術の側面でもあるのかもしれません。なんの用途も持たない作品の写真が日常の中でどれほどの力を発揮することができるでしょうか。しかし、日常の底流に、いつもそこにあること。今すぐに記憶されることはないのかもしれませんが、沈殿する芸術の重さは今すぐに活性化したり、効果のあるものではなくてもいいのかもしれません。
そして、こうしてウエブサイトで展示してきた写真と思いをも留めることができるようになれば、日常というものの残酷さを振り返って考えることもあるでしょう。
管理者 菅沼 綠(すがぬま ろく・彫刻家)
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