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ようやく、ウエブサイトを出すことができるようになりました。WordPressの教則本を何冊買ったことかわからないくらいです。何年前から取り組み始めたかも記憶が曖昧なくらいです。しかし、まだたったの2ページだけですが何とか「まちてくギャラリー」の概要が見えるようにはなったと思います。これから「過去の展示」や作ってきた小冊子のPDFなども閲覧ダウンロードできるようにしてゆきます。
現在の展示 2月3日〜4月30日 達川 清 展 次回は「伊藤 彰規 展」

㊸ 佐々木 実 展

2022年11月3日〜2023年1月31日

佐々木さんは日大芸術学部での何年かの後輩に当たるのですが、歳はわたしよりも少し上になります。
だけど、その学年の差は彼の経験の多彩なことを物語る入り口になります。
実にバイタリティのかたまりのような言動は、自分の理想に近づくための最善の方法だという、信念に基づいているのでしょう。体格も頑丈そうだし、自分が作ろうと思ったものを、実現させるためには、あらゆる工夫を凝らして具体化するパワーの持ち主です。

自分で建てたアトリエは奥さんの米富裕子さんのためのもので、北窓の採光が非常にきれいな使いやすそうな部屋になっています。銅板の鍛造による群像などは、非常に製作の工程が複雑で、実に多くの作業を経て制作されています。
大元の原型は、粘土で作られ、いったんポリエステルに成型されるのですが、そこから更にセメントの雌型をとり、それを鍛造の型にするというものです。その雌型の上で、銅板をなましてはたたいて部分、部分を作り出し、サラのそれらの部分を溶接してつなぎ合わせるというのです。
そうした技法は、ニューヨークの自由の女神も同じような方法で作られているとのことです。
いずれにしろ、非常に手数の懸かる方法ですが、それを組み合わせて破綻なく仕上げるのには多くの労力と経験が必要なはずです。
そうした溶接の技術は若いころに鉄工所で溶接工として働いた経験も、多いに役立っているのでしょう。
更に木彫も彼は非常に好んでいる方法です。
佐々木さんは四国の愛媛県出身で、暖かい四国には巨木の楠を手に入れやすい事もあるのでしょうが、等身大の像ではなく、それ以上の大きさの婦人像をたくさん彫っています。
鍛造作品の女性もそうですが、たくましい女性のみなぎる力を感じさせる者が多く生まれています。
上の最後の写真は歌を歌っているところを、吹き出しのかたちをつけることで表しています。オーソドックスな彫刻ではなく、情景を感じさせるための方法として、非彫刻的な方法と思われる事も躊躇なく取り入れてしまう柔軟さも見せているのだと思います。
銅の鍛造にしろ、木彫にしろ、その重量はとてもひとりで動かせるようなものではないはずですが、彼の体格とエネルギーはそのような障害は想像力を阻害するものではないのです。
学生時代に、下宿を引き払って家財道具を学校へ持ち込見、犬まで連れて来たバイタリティは70を有に越しても衰えない、想像力の前に障害など何もないのです。