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ようやく、ウエブサイトを出すことができるようになりました。WordPressの教則本を何冊買ったことかわからないくらいです。何年前から取り組み始めたかも記憶が曖昧なくらいです。しかし、まだたったの2ページだけですが何とか「まちてくギャラリー」の概要が見えるようにはなったと思います。これから「過去の展示」や作ってきた小冊子のPDFなども閲覧ダウンロードできるようにしてゆきます。

昆虫

小学生だったある夏の日、庭に小さな切り株があって、蟻の行列がその上を通ってずっと長く続いているのが見えました。
あの頃はアリといえば行列を作って餌になるものへ向かうものだと思っていました。台所の砂糖が入っているビンだとか、なにかの拍子にこぼれた甘いお菓子のかけらに向かって行列を作っていたような気がします。
気がすると言うのは、確かなことも知らないで、おおよその見当が、アリンコに対するそんなイメージだったんでしょう。
確かな知識はなくても別に不自由をしなさそうなので、そうしたアリンコの行列について調べたこともありません。だけど、かすかな記憶の中の違和感だけが、古びたアルバムにちぎれて残った、それこそカケラのような記憶の場面だけが、こびりついていて忘れることがありません。そしてフラッシュバックのように蘇ってくるのです。

小学校の低学年の頃、私はそのアリンコの行列に関心が向いたんでしょう。しゃがんでそばで眺めていたのです。
アリンコの大きさは、多分2ミリか3ミリほどの小さいアリの種類だったと思います。砂地の庭の隅に植わったとうもろこしの根元の草むらのあたりから出てきている行列は、2メートルくらいつながって、切り株に登り、5センチくらいの直径を渡ると、また地面に降りてまたその先へずっとのびていました。
しゃがんで見ていた私の目の前をせっせと忙しく歩いています。何を思ったのか、切り株の上を渡る蟻を私は指でひとつひとつ潰し始めたのです。先にそんな地獄があることも知らずに、2メートルくらいの向こうから、次々にやってくるアリンコをプチプチと潰し、切り株の上は黒い小さな蟻のカタマリができて、その先につながっていた行列が途絶えてしまったのです。そんなことも知らずに次々にやってくるアリンコを、私が虐殺をしているのです。
その時ふと、気がついて「僕は何をしているんだろう」と思ったところで、その記憶は途切れて空白です。
今、私の住んでいる家の台所には大きなアリが行列は作りませんが、三々五々集まって剥いた梨の皮についている汁を舐めにシンクの隅の水切りの中で忙しそうに動いています。ガタンと水切りに何かが当たったりすると、慌てて表面に出てくるので、つまんで表へ出て捨てるのです。地面に落ちたアリンコは、何事もなかったかのように、また普通に歩きはじめます。

何かで読んだと思うのですが、蟻には二次元しかなく、高さがないと。どこまでもが平面だと言うことなのでしょうか。だからか、私の手から振り払われた蟻はひとつ残らずみんな、平然とまた歩きはじめるのです。
私の記憶は途切れがちですが、四次元まであるのかもしれません。すでに70年近い昔の時空を超えてワープするのですから。

写真はさっき見つけた黄色い蝶。このことを書こうと思っていたのに、意志もワープしました。

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