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ようやく、ウエブサイトを出すことができるようになりました。WordPressの教則本を何冊買ったことかわからないくらいです。何年前から取り組み始めたかも記憶が曖昧なくらいです。しかし、まだたったの2ページだけですが何とか「まちてくギャラリー」の概要が見えるようにはなったと思います。これから「過去の展示」や作ってきた小冊子のPDFなども閲覧ダウンロードできるようにしてゆきます。

さいとう よしとも 展

さいとう君はビデオ作品を高度なテクニックを駆使して精力的に発表し続けていました。
白血病を発症して最先端の医療で支えられる日々を余儀なくされています。
しかし、命の存在はその意味をも常に必要としています。もちろん、生き長らえるだけでも
たいへんな努力が必要とされる事も多々あるのですが、ひとは常にその存在を確かめずにはいられません。
それは、表現をするということで、コミュニケーションを通じ、生きているという実感が存在を確かなものにするのだと思います。
長期の入院でその病室から命の発信を続けています。
表現は基本的な交流の手段です。話をすることだけでなく、行為のすべてが表現だともいえるはずです。
訴えることももちろん表現ではありますが、表現が深くひとに伝わるために、私たちは間接話法を使います。
リンゴが赤いというだけでは、見える形だけの伝達です。
表現には違いなくても、更に対象を自分なりに現そうとすることで、それ以外のことが
おのずから伴って現れるのだと思います。
それが、表現の深化を産むのだと。

さいとう君の病室からの発信は、その命の瀬戸際を最新の医療の数値から判断される治療への
信頼と、数値という無機質な値に抵抗するひとりの存在はもっと有機だぞという反応。
数値に反応する体そのものの自然と身体の科学的な反応。
そうした、相反する自然としての体と、想像する有機的な条理。
医師や看護師、家族との対話といった、周囲とのコミュニケーションの数々を
投与される薬、装着される機器の数値などと一緒に
短い言葉で安堵と不安を短い単語で綴る日誌に添えた写真が、さいとう君の表現欲を繰り返し
溢れさせています。

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