青い空の下にも白い雲が見えます。赤い色の男の像は何だかごつごつと異様で硬質なかけらをつなぎ合わせて作られているようです。足下の台は何やら黒く光って空を写しているのでしょうか。詳しいことは知りませんが、少しだけ鷹尾さんから話を聞いてはいます。それでも、この作品がどういう構造なのかについてまでは実際に見なければ分からないことは沢山あります。
そういうことを取り除いて、写真から受ける印象は人体というよりも、なにか人体の構造の模型のような感じすら、私は感じてしまいます。この作品の材料は「鉄」ということですが、幅の狭い5センチか10センチくらいの鉄板を貼り合わせて、嫌、溶接をして組み合わされているような感じは受けます。そのせいなのか人体の欠損した部分、強調された筋肉のような感じがするボリュウムも感じます。鷹尾さんは具象の作品でありながら、その具象を否定するようなこうした強くデフォルメされた作品が多くあります。
それは、具象的な人体のそれを模して作ることへの疑問というのか、新しい具象への挑戦する試みを多くしているようです。